無濾過ワインの味とは
無濾過のワインというものがあることはあまり知られておらず、これは製造過程で通常行っている作業工程の一つ「フィルターで濾過する」行程をしないまま市場に出回ったワインのことであり、濾過をしないと商品の品質を保つのが難しため、これらはあまり市場では目にしないというのが現状です。
この無濾過の商品をあえて作っているワイナリーは、日本でも最近は増えているようで、例えば山形県などは日本でも有数のぶどうの産地であるため、ワインの製造が大変盛んで、多くのワイナリーが存在しています。
山形県にはこだわりをもった製造者が特に多く存在し、こだわりがあるがために無濾過のワインを製造しているワイナリーも多く、一つの県内にこれほど無濾過のもの作る製造者が存在する県は他には見当たりません。
ではなぜ、あえて品質を保持することが難しいといわれている無濾過のワインを作っているのでしょうか?それは無濾過にすることで、濾過の工程をした通常のものよりも良い点がいくつもあるからなのですが、それを語るには無濾過のもののボトルの底に沈殿する沈殿物である「オリ」のことを抜きにしては語ることが出来ません。
グラスに注いだ時にこの「オリ」がグラスに入り、それによって飲むことを敬遠される方も中にはいかもしれませんが、この「オリ」は濾過をしていないがために生まれるものであり、品質に何ら問題はなく、逆に、この「オリ」がボトルの中にあるために、瓶詰された後の熟成をまろやかにし、商品に深い味わいを生み出すものとされているのです。
また、濾過しないことによって、ブドウのフレッシュな果実の風味がほのかに残るとか、味がまろやかなものになるとか、ブドウの味がストレートに濃厚に伝わる、というようなことも無濾過ワインの味の特徴なのであります。
あえて濾過をせずに無濾過にすることにより、ボトルの中に「オリ」が残り、この「オリ」が味をより風味深いものとしているので、たとえ品質管理が難しくとも無濾過のワインの味は多くの人にから愛されているのです。